ジャマイカ学

by ジャマイカの風

Takahiro  Sawada

澤田高宏

Culture & History

母方のばあちゃん

  • 男女関係については特別変わったことはないが、内縁(事実婚)の傾向が大きい。 実際に結婚している夫婦となんら変わらず、いつまでも一緒にいて、子どもを産み、資産を共用し、共働きをするというのが表向きの姿である。

 

  • 現実は、男は体力と財力がある限り、ただ欲求を満たすためにいろんな女に手を出した結果、いろんなところに子どもがいるが、気持ちの上でも金銭面においても、女や生まれてきた子どもを養うことまでは考えていない者が多い。 女は体力はあるが財力がないため、生きていくためにいろんな男に手をつけられた結果、5人の子どもが全て父親が異なるというのは珍しくはない。 養育能力が無くても、中絶は法律で禁じられているため、子どもはジャマイカの宝というスローガンで施設で保護される。

 

  • 核家族傾向で、じいちゃんばあちゃんと同居することは少ない。 しかし、ばあちゃん、ひーばあちゃんと暮らす家庭は多い。 15歳で出産したなら、自分は学校に通い、子どもはひーばあちゃんが面倒を見る。 ばあちゃんが働いて唯一の収入源である。 可愛い赤ん坊を見守る母・ばあちゃん・ひーばあちゃんの家庭にはじいちゃん(男)はいない。 30歳での出産なれば、ひーばあちゃんにはひー孫の面倒を見る体力も無いので、ばあちゃんが子守をし、30歳の自分が働く。 15歳の娘もすでに出産し、親子2代に渡ってばあちゃんになるのが早いね、などと話が花咲く。 いやいや、親子2代でなく、何百年、何千年と繰り返してきたパターンなのである。 そのパターンの歴史の中に近年組み込まれたのが、内縁とか結婚という概念である。

 

  • このパターンがジャマイカで言うところの母系制であるかはわからないが、興味深い傾向がある。 自分の娘が出産したなら、どこの馬の骨かわからん子どもの父親のことは全く関係なく、娘と孫を可愛がる。 日本のように世間に顔向けができないから勝手にしろって娘を勘当することはない。 また、老夫婦のところに遊びに行く場合はおばあちゃんのところに行くと言い、ちょっと外出するので子どもの面倒を見に来てくれないって頼むのは母方のばあちゃんであることが多い。 やむをえなく父方のばあちゃんに頼む場合は、おやじが自分の母親に預けに行くことで成立する。 子どもの学校の送り迎えも同じことで、母方のじいちゃんかばあちゃんが駆り出されている傾向が多いのである。